ジャニアイをみてやっぱりプレゾン09だったのかと思った話

 帝国劇場にて、ジャニーズ・オールスターズ・アイランドを観てきた。
 お正月ということで入り口には門松が飾ってあり、大変めでたい感じでした。

 初演からインターネットで感想は読みまくっていたものの、去年やっとジャニワ童貞を捨てた自分にとってまだまだよくわからないもの。けれども、毎年やるたびに少しずつ話は変わっていくし、予習をしてみるような感じではないかなと、レポは読まないでいきました。




 観劇後、一番思ったのは「どういうわけか、話がよく分かる」。
 あらすじを人に説明できる。すなわち「秩序」があるということである。
 今までのような混沌とした悪夢のような雰囲気は薄れて、「なんか変な夢みたー」というのが第一印象だった。脈略なくいろんなことが起きる感じ。

 ショーが始まる。柱が2本出て来る。危ないぞ危ないぞ。今回はカイちゃんがぶつかるのか。勝利でも平野でもないんだな。案内人はトッツーと塚ちゃんね。まず過去を学ぶんだな、太鼓か。太鼓長いな。3曲分というか、3太鼓分くらいあった。あ、日本の文化おわりね。太鼓とバックの漢字のくずし字ですべてね。まあそんなもんだ。そんで悲しい歴史も学ぶんだな。うん戦争だ戦争。いつものやつだな。今回は白虎隊よりも第二次世界大戦か。いつもよりちょっと気合入ってるな。行進とかこんなかっこよくやっちゃっていいのか。そんで五輪。日本復興。そして再びの五輪。

 あれ?
 なんかわかりやすい。
 ジャニワあるあるを心得すぎているのか?

 幕間、「ゲスト誰かな〜」「亀梨くんきてほしい〜〜」「翔くんきてTABOOやってほしい〜〜」「わかる〜〜バックみたい〜〜〜」「誰も来なかったらどうなんの?」「ダイジェスト見れるらしいよ、おトク〜」「やばい帝劇ガチャ、ハズレない〜〜〜」と散々無邪気に盛り上がった我々を、シルエットでシバキ倒した舞祭組。MC笑っちゃった、面白かった。横尾さんを帝劇で見ることが出来て、なんか久しぶりだった。
 そんで、かっこいい(?)先輩に、憧れて(?)宇宙へ。
 星ごとにユニット振り分けてパフォーマンス。良いねえ〜。水星か。なんだ。えっタイタニック? ここで? 宇宙に来た意味。って思ってたら「これは地球の歴史?!」「地球でも宇宙でも同じ歴史をたどるのだ(大意)」みたいなくだりがあって、ヒンデンブルク号。これもこっちか。そうか。

 そういえば一幕、月ごとのくだりなかったな。

 ……。

 そうか、13月を探す設定がなくなったおかげか!!

 めちゃくちゃわかりやすい!!

 13月探すの、好きだったけどね!! それはそれこれはこれだ!!


 そもそもジャニアイの発表があったとき、いの一番に思い出したのは「PLAYZONE2009 〜太陽からの手紙〜」だった。「舞台と客席がひとつになったとき、宇宙からの手紙が届く。」
 思わず「宇宙からの手紙」と声に出した。でも、宇宙とか言ってるし、PZ09は当時のJr.状況を舞台にしたリアリティ溢れる青春物語だし、ジャニワのイミフな混沌ワールドとは全然関係ないしな〜とまあそんなことはすぐに頭のどこかへ行ってしまっていた。

 終演後、ハイハイジェットしたかったね〜とか歌良かったね〜とか思い思いの感想を述べていたら、友人が「今のJr.の状況をそのままシナリオに落とし込んでるけど、やってる側はどう思ってるんだろう(大意)」と言った。
 たしかになあ、と思った。
 その翌日くらいに、ふとその言葉を思い出して、
 13月の代わりに加わった要素が、PZ09だったんだなと思い当たった。
 PZ09とまるっきり同じ演出の箇所が一点あった。
 オレンジの大海がバックの。
 BGMも同じだったと思う、もうちゃんと覚えてないんだけども……。
 (確認しようと思ってDVD探したんだけど見当たらず、この記事を書く気持ちが薄れていったのだった……)

 PZ09は、私が中学2年生のときに、生まれて初めて観劇したジャニーズの舞台だった。
 その頃は狂ったように横尾さんを偏愛しており、キスマイのデビュー前夜を祈るように日々過ごしていたのである。
 PZ09は、「未熟さ」がテーマだ。
 夏の舞台を控えたジャニーズJr.たちの舞台裏の話。全員名前と役名が同じ。
 キスマイと、内Q、They武道、M.A.D.、その他Jr.らと、それらを見守る屋良くん。
 バンドでいきってる内を馬鹿にする藤ヶ谷と、「おれは踊らねぇバンドって決めてんだ」な内が揉めて全く稽古にならない……というところから始まるんだけど、、、
 DVDになってるから!Jr.担は本当に全員見てほしい!と今こそ思う。
 デビューの見えない現状で、自分の未熟さを受け入れること、その難しさ。そして先輩のような輝くスターを堂々とめざしていくことへの憧れ。
 屋良くんは先輩だから、若い後輩たちを見ていろんなことを教えてあげたいし、舞台を成功へ導きたいんだけど、彼自身もJr.であって……という年長Jr.ならではの葛藤もあったり。

 あの頃のことを思い出さずにはいられない。
 JUMPがデビューして以来、ファンとしてもどうにもやりきれない雰囲気が若干残る状況で、エビキスはどんどん年をとる。下もバカみたいにどんどん入ってくるし、バケモノみたいなB.I.Shadowがブイブイ言わせ始めている。
 私自身も絶賛思春期真っただ中だったこともあり、未熟で悩み惑う彼らの姿に感情移入していたのだと思う。
 サントラは何度も聴いたし、DVDもめちゃくちゃ見た。思い入れのある舞台だ。
 まさかこのPZ09がここにきてジャニワの系譜に繋がるとは……と感慨深い。

 今回のジャニアイの勝利と平野の役が、「太陽」では内くんと藤ヶ谷なんだよね。全然揉めてないけど。
 内くんが、先人の象徴のプロデューサーとして出てくるのがよくできてるなーという感じ。このふたつの舞台を繋げる役割を担っているんだなと思う。

 作・演出が錦織さんだからか、ストーリーに秩序があってお話として成り立ってるし、プレゾン09ってどこにも繋がらなくてぽっかり浮かんでるみたいだな、と思ってたけど、ここで拾われたことがなんとなくうれしい。
 あと、他のプレゾン見たことないから気になる。一貫性ってあるんですかね?

 今回の「出演者全員主役」という触れ込み、それムリだろ〜と思いつつ、過去のいろんな舞台の出演者たちもみんな含めて主役だよっていうのは都合よく捉えすぎかな。
 「太陽からの手紙」と「宇宙からの手紙」、両者とも共通して、ほぼ現実通りのJr.事情が設定として敷かれた上で、先人の存在と自らの未熟さをショーを通じて仲間でわかり合うという話だと考えると面白いなあ、という感想でした。